生活拠点が海外で、東京に別宅としてマンションを購入されたご依頼主。「いつもの生活風景とは離れた空間がいい。コンクリートや錆びた感じのインテリアが好み!デザインして欲しい。」とのご要望を受けました。大好きな東京にくるたびに、ワクワク、高揚感を感じるような別宅。大勢と一緒でも、ひとりきりでも豊かな時間が流れる。そんなイメージを浮かばせ、標準的なインダストリアルインテリアとは画す、洗練されているインダストリアルを考えました。鉄骨からなる間接照明と、原田左官工業所のうづくりモルタルとの調和が絶妙。この原田左官さんのうづくりモルタル、本物の木材を多量に用意し手作業でモルタルへと美しい木目を生き移す手法。丁寧なその芸術美が、たっぷりとした広い壁面にうつされ圧巻です。職人さんの手仕上げのものには、温かな深いゆらぎをいつも感じます。キッチンに立つと目に入る壁には、平田タイルの垢抜けたタイルをあしらいました。一皿の料理の時間さえも豊かに流れるように。ダイニングにはアンティークガラスのペンダントライトを。工業的な空間の中に、懐かしい手仕事のやわらかさを灯しています。
無機質と自然素材が融合され、繊細で穏やかで力強さも感じられる、Shukukoの考えるインダストリアルインテリアです。